目次
はじめに
本書の目的
明太子と卵を組み合わせた料理のレシピ集です。家庭で作りやすい卵焼きやだし巻きのバリエーションを中心に、材料や手順を具体的に示します。お弁当のおかずや朝ごはんのおかずに向くレシピを多く取り上げました。
対象読者
料理ビギナーから中級者までを想定しています。包丁や火加減の基本がわかれば作れます。調理経験が浅い方にも丁寧に手順を示していますので安心してください。
本書の使い方
各章で材料の分量、調理手順、失敗しやすいポイントを順に説明します。まずは基本の作り方を試し、慣れたらアレンジに挑戦してください。
特色と注意点
・明太子は塩分や辛さに差があります。味見をして量を調整してください。
・卵焼き器やフライパンのサイズで焼き時間が変わります。火加減を見ながら調整してください。
これから紹介するレシピは、シンプルで再現しやすい手順を心がけています。どうぞ気軽に試してください。
のりと明太子の卵焼き
材料(2人分)
- 卵:3個
- 明太子:30g(薄皮を取り除く)
- 焼きのり:1/2枚(1cm角にちぎる)
- みりん:大さじ1
- 塩:小さじ2
- ごま油:少々
下ごしらえ
明太子は薄皮をそっと取り、みりんと混ぜて少し馴染ませます。焼きのりは手で1cm角にちぎり、卵はよく溶きほぐしておきます。
作り方
- ボウルに卵を割りほぐし、塩を加えてよく混ぜます。
- 明太子とみりんを加え、ざっくりと混ぜます。のりを加えて軽く混ぜます。
- 卵焼き器にごま油を熱し、卵液を3回に分けて流し入れます。各回とも半熟気味のうちに手早く端から巻き、形を整えます。
- 火を通しすぎず、全体がふんわりしたら取り出します。
ポイント
- 明太子の薄皮は取り除くと口あたりが良くなり、味が均一になります。
- のりは最後に加えると香りが立ちます。層ごとに巻くと見た目もきれいです。
- 冷めても味が落ちにくく、お弁当にも向きます。
明太チーズの卵焼き
材料(2〜3人分)
- 卵 4個
- 辛子明太子(一腹)
- クリームチーズ 40g(室温で少し柔らかくする)
- 出し汁 大さじ4
- 薄口醤油 小さじ1/2
- 砂糖 小さじ1
- 塩 ひとつまみ
- 油 適量
作り方
- 下ごしらえ:明太子は縦に切り膜を取り、スプーンでほぐしておきます。クリームチーズは5〜7mm角に切ります。
- 卵液を作る:ボウルに卵を割りほぐし、出し汁、薄口醤油、砂糖、塩を加えてよく混ぜます。泡立てすぎず均一にします。
- 焼く:卵焼き用の四角いフライパンを中火で温め、薄く油を引きます。卵液を薄く流し入れ、半熟状になったら手前に寄せます。
- 具をのせる:空いたスペースにクリームチーズとほぐした明太子を散らし、卵を手前から巻き込みます。
- 繰り返す:巻いた卵を手前に戻し、油を薄く塗って卵液を追加。同じ要領で具を入れて数回に分けて巻き、好みの厚さにします。
- 仕上げ:形を整え、少し冷ましてから切ります。冷めても味が落ちにくく、お弁当に向きます。
コツとポイント
- クリームチーズは固すぎると均一に溶けません。室温に戻すか小さめに切ると扱いやすいです。
- 火加減は中〜弱火で。強い火だと表面が焦げやすくなります。
- 明太子の塩分で味が決まるため、味見して塩は控えめに調整してください。
保存とアレンジ
- 冷蔵で2日程度保存できます。切ってから詰めると見た目がきれいです。
- チーズをモッツァレラや粉チーズに替えると洋風に変化します。
明太巻きだし巻き
材料(2〜3人分)
- 卵 4個
- かつお出汁 120ml
- 片栗粉 小さじ1
- みりん 小さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- 明太子 1/2腹
- 米油 適量
- 大葉 5枚
- きざみのり 適量
下ごしらえ
- 明太子は薄皮を取り除き、包丁で軽くほぐしておく。ラップで長細くまとめると巻きやすくなります。
- 卵はボウルに割り入れ、かつお出汁、片栗粉、みりん、しょうゆを加えてよく混ぜ、こし器で漉すとなめらかになります。
作り方
- 卵焼き器を中火で温め、米油を薄くひく。
- 卵液を1/3量ほど流し入れ、底が固まりかけたら手早く巻く。
- 空いた面に油を薄く塗り、残りの卵液を少量ずつ流しては都度巻いて厚みを出す。
- 最後に卵がほぼ固まったら、表面に明太子を中央に細長く置き、端からきつめに巻き込む。
- 全体を形を整えながら弱火で1〜2分火を通す。
焼きのコツ
- 火加減は中〜弱火を基本にしてください。強すぎると表面が焦げやすいです。
- 卵液を漉すと口当たりがよくなります。
盛り付け
- 食べやすい厚さに切り、大葉ときざみのりを上にのせて香りと彩りを添えます。温かいうちにどうぞ。
野本流『明太だし巻き』(寿司屋のプロレシピ)
材料(3〜4人分)
- 卵 3個
- だし汁 50ml
- 薄口しょうゆ 小さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 辛子明太子 1/2腹(約50g)
- サラダ油 適宜
下ごしらえ
- 明太子は包丁で切れ目を入れ、薄皮を丁寧に取り除く。中身をほぐしておく。
- 卵をボウルに割り入れ、だし汁・薄口しょうゆ・砂糖を加えてよく混ぜる。泡立てすぎず均一にする。
作り方(プロのポイント)
- 卵焼き用の四角いフライパンを中火で温め、薄く油をひく。油をキッチンペーパーで伸ばすとムラが出にくいです。
- 卵液の1/3量を流し入れ、縁が固まり始めたら明太の1/3を広げる。底が半熟のうちに奥から手前へ巻く。
- 空いたスペースに再び油を薄くひき、残りの卵液を注ぐ。巻いた卵の下に液が入り込むようにして同様に巻く。これを繰り返す。
- 火加減は弱めの中火で、焦がさずじっくり火を通す。中心がふんわり残ると柔らかく仕上がります。
仕上げのコツ
- 巻くときは軽く押さえて形を整え、形が決まったらすぐに火を止めて余熱で固めます。
- 切る前に少し冷ますと切り口が美しくなります。包丁は濡らして拭きながら切るときれいです。
盛り付け
- そぎ切りにして皿に並べ、刻みネギや大根おろしを添えると味のバランスが良くなります。寿司屋流の見た目は、断面の層が均一で色合いが整っていることです。